おとといの日記で、ふるさとへの贔屓心について語ったせいか、今日の新聞では、こんな記事が気になった。
「合併しない宣言」をした福島県矢祭町の根本良一町長ら全国の5町村長が27日、東京都内で会見し、合併によらない町・村づくりの道を考える「小さくても輝く自治体フォーラム」を、来年2月22、23日に長野県栄村で開くと発表した。(毎日新聞)
つまり、現在、猫も杓子もの市町村合併に反対なのだ。
矢祭町いがいの町村は以下の通り――
北海道ニセコ町の逢坂誠二町長
群馬県上野村の黒沢丈夫村長
福岡県大木町の石川隆文町長
長野県栄村の高橋彦芳村長
で、矢祭町のホームページに出掛けて驚いた。
カウンタが300万を超えている!
無理もない、この町は、市町村合併について、町議会で全会一致で反対しているほかに、住基ネットすら導入していないのである。
あらゆる国家主導の政策に、断固として振り回されないぞ、という気魄があるのだ。
しかし、僕には、残念ながら、市町村合併について、いつものように「こっちだ」という偏った意見を持つことができないでいる。勉強不足なのだ。
もちろん、今は便利だから、ネットを操れば、さまざまな貴重な意見を採集することができる。
けれど、こういう国家の政策がどこからやってきたのかは、省庁の内側の秘密なので、なかなか分からないようになっているのが現状だ。
いつだって、公の文書は、ウワッツラばっかりだ。
しかし、これはけっこう大きな問題だという気がする。
ダムに沈んだ町がたくさんあるように。
化石になって、数万年後も足跡を地球に残すには、一つだけ条件があるらしい。化石になれるのは、繁栄した種だけだということだ。
(それでも、お前は化石になりたいのか?)
(だから、お前は化石になりたいのか?)
故郷を愛する心と、国を愛する心は、なかなか一致しない。
「外国の敵」という概念が降ってわいてこない限り、スポーツでも、外交でも、北朝鮮問題でも、なかなか日常では、人は「国家を愛する」などという気にはならないものである。
それは、故郷を愛する気持ちの、拡大された投影イメージのようなものに過ぎないのだ。
自分の生が育まれ、基盤となった土地の記憶、というものは、これは具体的で、本物で、それはごく少数の人にしか分からないマイナーな名前を持っているものだが、それを国家にまで拡大することは、概念の悪しき抽象化というものだ。そちらには実体はないのだから、騙されてはいけない、と思う。
* * *
「今日のトンデモない表現」
●同報道官は懇談の中で、ブッシュ大統領がイラク問題を首脳会議の中心議題にしようとする姿勢を批判した際、大統領を「moron」(まぬけ、愚か者などの意)と呼んだという。(11.27
毎日新聞)
「快哉!」と言いたいくらいだ、ボクなら。
しかし、このカナダの報道官は、この「MORON」発言のために、周囲の罵倒に合って、報道官の職を辞職している。辞職したから(せめて)ニュースになったようなもんだ。
学ぶべきは、国家的な事業に取り組んでいる人物は、このように、個人的な意見や感想などというものを言うことは不可能に近いというコト。つまり、嘘しか言わないというコト。ましてや、真実が報道されるコトなどありえないということ。
そんなことがあるとすれば、彼らは自分の地位を失う覚悟が必要だ、ということで、もちろん、そんなことができる人間が、そんな「登り詰めるような地位」にいるわけがないのだ。
●浄土真宗十派の1つ、真宗興正派(本山・興正寺、京都市下京区)の華園真暢(はなぞの・しんちょう)門主(45)の長女沙弥香さん(9)が26日、得度した。(11.27
朝日新聞)
これは、不思議なニュースだった。
意味がわからない。「得度」とか「門主」とかいう言葉の意味がわからないだけではなく、ニュースになる意義がわからない。???
この、真宗興正派というのは、かなり大きな宗派のようで、条例なんかあるらしい。それで、その「首長」に9歳の女の子が任命された、ということらしいのだが。
まあ、そういうことだ。
う〜ん、世の中わからないことが多い。
●じっとしているよりも、何かできることがあればという気持ちで東京に来た。(11.27 朝日新聞)
曽我さんの発言。
しかし、曽我さんに「何ができるのだろう?」
曽我さんのために。
国家のためにではなく。
われわれは何のために生きているのか?
「私」の幸せのため、ではないか。
そうであろう。
それを否定する人はいないと思う。
では、曽我さんに「何ができるのだろう?」
曽我さんのために。
五人の「日本人」が帰ってきて、彼らの発言や行動について、いろいろ報道されているけれど、「彼らから何かを教えてもらった」という報道はついぞない。たとえば、「北朝鮮(共和国)はこんな国なんだよ」とか、「こんな町に住んでたんだよ」とか、「こんな友だちがいたんだよ」とか。
言いたいことだってたくさんあるだろうに!
ない、ない、ない、ない、ないばっかりの文章!
最悪の日記!
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