鎌腹(かまばら)

太郎:アレ? あの、もしもし……? いまから腹を切るんだよ、俺は。おーい……。行ってしまった……。なんだよォ……、止めるなら止めるで、じっくりと終わりまで止めてくれなきゃ、こういう中途半端なことをされると迷惑じゃないか……。後へ引けなくなってしまった……。あれだけ豪語した手前、切らずに帰ったら、またあのオタフクにバカにされるぞ……。いや今度ばかりは、二度と頭が上がらなくなるかもしれない……。うーん。切るも切らぬも、切るしかない、か……。といっても、この鎌じゃなあ、切れねえからなあ、痛てえだろうなあ……。よし。まずこいつを研いで、痛くないようにしてから死のう……。

と、鎌を研ぎ出す。