ペリクリーズ
わが、運命――血筋――尊い血筋――
同じ重さの悲しみ――だと? そう言ったな?

マリーナ
はい。王がわたしの血筋をご存知ならば、
こんな手荒なことはなさるまいとも思います。

ペリクリーズ
かもしれんな。顔を上げて、こっちを見てくれ。
似ている――おまえはどこの国の女だ?
ここらの浜辺か?

マリーナ
いいえ。どこの浜辺でもありません。
と申しましても、空から降ってきたわけでもなく、
ごらんのとおりこの世に生まれてきた者です。

ペリクリーズ
ああ、悲しみがあふれ、涙がこぼれる。
いとしい妻に瓜二つだ。
生きていれば娘もこんなふうだったろう。
あの広い額。すらっとした背筋。
鈴のように響く声。
耳が自然と声の方に向いてしまう、
その声が、語る言葉をもっと聞きたいと。