マリーナ
お聞きください、王よ、
わたくしもこれまで悲しみに耐えてきました。
おそらく、あなたの悲しみと同じ重さの悲しみに。
気まぐれな運命のため、いまはこのように、
落ちぶれておりますが、
もとをたどれば強大な王家にも負けぬ尊い血筋の者です。
けれど「時」の力によって、親からは引き離され、
世の荒波にもまれて、人に仕える身となったのです。
(傍白)もうやめよう。でも、何かがわたしの頬をほてらせ、
耳もとでささやいている、「彼が口を開くまで、行くな」と。