アマンダ:よくないわ、トム。体は大切にしなくちゃ。こういう厳しい時代に頼れるのは、家族だけ。大事なことは――ねえ、トム、ローラを使いに出したのは、あなたに話があるからなの。あなたから話さなくても、私から話すつもりだったのよ(と、座る)

トム:(やさしく)話って、なに?

アマンダ:ローラよ!


アマンダ:なんでって……でも、あなたのふるまいはマトモじゃないわ……。

トム:(カップをドンとテーブルに置く)

アマンダ:責めてるんじゃないの……。わかってる。あなたの夢は倉庫にはない。世の中がみんなそうなように、あなたも自分を犠牲にしている。でもね、トム、トム……人生ってなまやさしいものじゃないのよ、我慢も要るのよ! ……うまく言えないけど、私の胸にだっていろんな思いがあふれてるわ……今まで言ったことなかったけど……あなたのお父さんを愛していたわ……。


アマンダ:あなたが……だんだんお父さんみたいになっていく気がするの……。帰りは遅いし……それに、ひどく酔っぱらって帰ってきたり。ひどかったわ! ローラは、あなたはこのアパートが嫌いなんだって、だから毎晩逃げ出すために出かけるんだって、そうなの、トム?


トム:ちがうよ。かあさんだってさっき言ったろ、うまく言えないけど、胸にいろんな思いがあふれてるって。僕だってそうだよ。うまく言えない。でもいろんな思いがあふれてるんだ!

アマンダ:でもなぜ……なぜあなたは、いつもそう落ち着かないの? どこに行ってるの、毎晩毎晩……


トム:僕が映画に行くのは……冒険が好きだからだ。冒険は、仕事場じゃあ手に入らない、だから僕は映画に行く。

アマンダ:でもトム、あなたの映画は度を越してるわ!