看護婦:伯爵……。あれ、伯爵のじゃありませんか……?

伯爵:私のかい……?

大男:何を言ってるんだ、伯爵にはちゃんと二つあるじゃないか……。

看護婦:そうじゃないんです……。伯爵はいつも、お亡くなりになった奥方様のお耳を、ポケットに入れてお持ちになっておられましたから……。

販売員:……。(あたらめて、手の中の耳を見る)

伯爵:そいつは、少しぬれているかい……?

販売員:ええ、何ですか、少し……。

伯爵:それじゃ私のだ……。だから家内のだよ……。