2000年12月、再び戻ることのない旅へと去っていった、如月小春は〈都市〉を愛し、〈都市〉を恐れながら、その行く末を見つめ続けました。そのまなざしの鋭さは、2004年現在、ますます〈都市〉化してゆく世界の中でわたしたちが直面している事態をハッキリと幻視していました。
『砂漠のように、やさしく』は、1987年、如月小春主宰のNOISEによって初演されました。〈都市〉を〈砂漠〉に置き換える、という知的操作によって、そうした彼女のまなざしが最高度に結晶化され、輝いている作品です。
今回は、昨年の『A・R―芥川龍之介素描―』に引き続き、LABO!による“如月小春の戯曲上演プロジェクト”第2弾。
成熟度を増したLABO!のアンサンブル演技が語る〈都市〉の物語を、ぜひ劇場でご覧になってください。 |