ふたり、交互に飲み、ロウソクの炎を見つめる。

ソーニャ:ずっと前からこうしたいって思ってたの。(と、泣いて)でもなんだか恥ずかしくて……。

エレーナ:どうしたの?

ソーニャ:いいの、理由はないの。

エレーナ:ねえ、いいのよ、もういいの……(と、つられて泣いて)変な生き物ね、人間って……

エレーナ:あなたは、私がなにか下心があって、お父さんと結婚したんだって思ってて、それで許せなかったんでしょう……。でもね、私はあの人が好きで結婚したの。あの人がインテリで、有名人で夢中になっちゃったの。……そんなもの、ほんとうの愛じゃなかったけど、作り物だったけど、あの頃はそう思えた。そんなの誰のせいでもないでしょう?