イナビカリ! 雨の音――。
アキヨシはゆっくりと立ち上がり、ボートにジャブジャブ。向かい合う、二つの花。

かじか:人は、言われたからといって、なれるものか?

アキヨシ:指のささやく声ならば。

かじか:それじゃ、あの坂で僕の四十九段式に棒つっこんだのも、おまえというのか?