女2 ……こうして、風に吹かれていると、栗林へ行った時のことを思い出すわ。

女1 栗林……。

女2 そうですよ。

女1 え……ああ。

女2 おれも行ったのか。忘れたんですか。ああ、うん、思い出したよ。栗の木がゴーゴー鳴って。あなた、あそこで、覚えています。うん、抱いたんだ、お前を。お蒲団、すこしくっつきすぎていません。え……。くっつきすぎているような気がして。うん……そういえば、すこしそうかもしれないな。すこし離しましょうか。うん……いいぞ、そうしようか。