ガワア
さて一方、海の上に置き去りにした、
父親の方はいまいずこ、と目を転じますれば、
な、なんとなんと波間を風に漂って、
娘の暮すこの島へとたどり着きます。
折しも海岸では海の神を讃える祭の真っ最中。
そこに居合わせたのがライシマッカス、
黒旗を立て、飾りをこらしたあの船は、
なんだなんだと小舟に乗って向かいます。
さればみなさま、ここはその、
重く沈んだペリクリーズの船の上――