老婆:わしはな、わしは、この女のした事が悪いとは思うていぬ。せねば、餓死をするのじゃて、しかたなくした事であろ。されば、されば、今また、わしのしていた事も、悪い事とは思わぬぞよ。これとてもやはりせねば、餓死をするじゃて、しかたがなくする事じゃわいの。じゃて、そのしかたない事を、よく知っていたこの女は、おおかたわしのする事も大目に見てくれるであろ。

下人:きっと、そうか。