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「ワーニャおじさん」
エレーナ・アンドレーヴナ
(老大学教授の妻、27歳)
ねえイワン、この世界を滅ぼすのは、きっと、地震でも犯罪でもなくって、みんながいがみ合ったり、すれ違ったり、そんなつまらないことのせいなのよ。……せめて、あなたにはみんなとうまくやってほしいのに。
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「チュニジアの歌姫」
マルグリット・ユニック
(往年のアイドル歌手)
ダーク。ここは修道院なの? ちがうでしょ。だったらもう少し好きにさせていただきたいわ。それに、あなたが思っているほどわたしは愚かしくはないつもりよ。別に長生きしたいとは思わないけど、でも、自分で自分の命を縮めるような、そんなバカな真似はしないわ。
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「ジョバンニの父への旅」
女1(カオリ)
私、待ってたのよ、ジョバンニ……、あなたをよ……。いつか、カンパネルラとばかり仲良くするのは、よせって言ってくれると思って……。
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「H」〜「きみの夢を見た」
妻
アザラシの泳ぐ海、冷たいんじゃないかしら。いやよ、冷たいのは、考えただけでもエネルギー要るわ。
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「ドラキュラ伯爵の秋」
魔女
伯爵をどうやったら殺すことができるかってことは知ってるんですね?
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「ソライロノハナ」〜「葵上」
六条御息所
霊鬼 ……死にそうな朝。目が覚めると鏡の中に色とりどりの仮面が集積していました。あまり晴れやかな景色なのでさみしい私がうらやましいわ、と皮肉を言うと、仮面たちは不思議そうな顔をして、君はまだ気がつかないの、というのです。気がつくって何のこと、とたずねても仮面たちは鏡の奥でくるくると踊るばかりで教えてくれません。その踊りには切ないようなまぶしいような、残酷なようでいてとても陽気なメロディーがついていて、見ているだけで身体中がとても熱くなるのです。そこはどこ? あたしも行きたい、行って一緒に踊りたい。そういうと仮面たちは言いました。ここだよ、ここに決まってるじゃないか。ここってどこよ、どこなのよ。わかりません。けどとても近い気がするの。今、なんとなくすごく近い気がするのに、でも、もうあたし眠らなくちゃ……。
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LABO!版「卒塔婆小町」
老婆(小野小町)
もう百年……。
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「ソライロノハナ第二集」
弱法師
生みの母1
あなたの着ているのは立派な背広よ……。
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「ソライロノハナ第二集」
卒塔婆小町
小野小町
今のわたしが醜く見えたら、そりゃ醜い美人というだけだ……。あんまりみんなからベッピンだと言われつけて、もう七八十年このかた、わたしは美しくない、いや自分が美人のほかのものだと思い直すのが、コト面倒になっているのさ……。
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