原作のあらすじです。
(上演台本と必ずしも同じとはかぎりません)

能「景清」かげきよ
鎌倉に住む少女・人丸は実の父を探して旅に出るが、日向国でやっと見つけた父・景清はすでに落ちぶれて目の見えぬホームレスであった。我が子と知ってしらんぷりをする景清だったが、やがて素性はバレて、父と娘はうれしくもあり無惨でもある再会を果たす。そして、父は己の負け人生の光と影を語って聞かせ、二人は別れるのであった。
作●石神夏希

狂言「文山賊」ふみやまだち
山中で道迷った二人のテロリストが、責任のなすり合いから喧嘩を始め殺し合うが、誰も見ていないところで死ぬのは犬死にだというので意見が一致。じゃ、書き置きをしようということになり、すったもんだやっとこさ書き上げた文を読み上げるうちに、妻や子のことが愛おしくなって意気揚々と山を降りてゆく。
翻案●堀内 仁

能「砧」きぬた
秋。筑前芦屋の、単身赴任で京にいる夫をわびしく待つ妻の元へ、夫の元愛人で部下の夕霧が手紙を持って戻ってくる。手紙には「暮れには帰る」とあった。秋の夜、二人は都の愛しい人を想ってしんしんと砧を打つ。しかし「やはり帰れぬ」という知らせがあり、妻は夫の心変わりを確信し、狂って死んでしまう。三年後、帰ってきた夫の前に妻の霊が現れ不実を責め、やがて消えてゆく。
作●詩森ろば

狂言「舟頭聟」せんどうむこ
聟入の途中、渡し舟に乗ると、船頭が無類の酒好きで、祝儀の酒を強引にもらおうとするものだがら、聟はやむなく振る舞うことになってしまう。聟が舅の家へ着くと、舅は留守というので帰りを待つことになる。帰宅した舅が陰から聟の顔を見ると、先ほど酒をせしめた男ではないか。舅は妻の勧めで髭を剃り、袖で顔を隠して対面するが、結局バレてしまって面目なし。
翻案●堀内 仁

能「隅田川」すみだがわ
地震の最中、人身売買で売られてしまった息子を探して、春、京都から一人の母が東京へとやってくる。さめざめと降る雨の中、母は傘もささずに物狂いとなっている。それを見下げた隅田川の渡し守は、はじめ舟に乗せないが、やがて心を動かされ舟に乗せると、向こう岸から祈りの声が聞こえる。渡し守の説明で、それがわが子梅若丸の供養だと知る。子の墓の前、人々の祈りの中で、呆然と立ち尽くす母の前に子の霊が現れて消える。
翻案●堀内 仁

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