ゆらめく光の中に浮かび上がる、二人の姿。木の葉はゆったりとあおり、近づく舳先を撫であげる。
アキヨシ:でも中には、さらに蒼ざめた顔がいて、時の門番がおまえは誰と聞く。
いちよ:僕は、その子と行けないんです。なぜなら僕は八十年後に生まれんですから。
アキヨシ:暗闇には、さらに蒼ざめた顔の子がいて、また時の遣いが尋ねると。
いちよ:僕は、もっと行けません。なぜなら僕は生まれない子なんです。