女1 ……冬も、ね、冬も歩いたわね、あたしたち。冬を何度も、運動靴で。

女2 ……ええ、ああ、冬ね。土が凍っていたわ。裸足になると、だから、あたしたち鳥だったわ。

女1 氷の湖を歩く水鳥ね。我慢したわ、冷たかった。

女2 痛いほどだった。

女1 国道の向こうの家が、どこもここも遅くまで起きていたわね。クリスマスか、大晦日だったのね、あの日は、きっと。

女2 覚えてるわ。窓がね、国道の向こうの、明るかったわ。