編集者:――思い出すねえ。中でも、ほら、俺が一等、幸せだったあの朝を。作家志望の学生仲間と作った雑誌を、あんた、当代一の文豪の、あの「我が輩は猫……」の先生に送ったろ。まさか来るとは思ってなかった返事が来たのは、そのすぐあとだ。
「大変面白いと思います。材料の新しさ、よく整った文章、敬服しました。ずんずん先へお進みなさい。ずんずん、ずんずん……。」