作家:根をしっかりおろせ。 お前は葦だ。風に吹かれている葦だ。 空模様はいつ何時、変わるやもしれぬ。 それは、お前自身の為だ。同時にまたお前の子供たちの為だ。 うぬ惚れるな。卑屈にもなるな。 これからお前はやり直すのだ。
弟:大正十五年、夏。鵠沼海岸にて、夜、迫る。