テオ:ご挨拶が遅れました。初めまして。わたしがテオです。テオ・ムルージ。生まれたのは、ギリシャのスパルタですが、五つの時に、イタリアのパレルモに引っ越しまして、八つの時には、ナポリからジェノバ、それからはもう、リボルノ、サッサリ、フランスに渡ってマルセイユと、地中海をアッチだコッチだ、親父が海の仕事をしていたものですからね。それで……

マリア:テオ!誰がここであんたの半生を語れって言った?

テオ:ハ、ハ、ハ(と、笑って)。まあ、そんなわけで。よろしく。(と、両手でKの手を握る)

K:ああ、いや……

テオ:これでよし、と(と、手を離し)。さあ、頑張るぞ。今日からまた、テオ・ムルージの新しい人生が始まるんだ!

  Kは、手のやり場がなくて……
  暗くなる