勇気。

いやいやいや。
勝ったーっ!
ほんとうに嬉しい。涙涙涙。
横浜も凄いんだろうが国立競技場も凄かった。
狂乱ってあーゆー事を言うんだろうね。
帰りの山手線の中で、選手の名前をコールしたり歌ったりは当然の事、そのまま跳ねる、跳ねる、跳ねる!
満員の車輌の中で立ってる人間の殆どが飛び跳ねたらどうなると思う?
あれ、コーナーなら倒れるんじゃないかしら?まあ無事だったけど。

ところで7日のアルゼンチン対イングランドなんだけど、後半残り20分の攻防なんか、相撲のぶつかり稽古とか三番稽古を見ているようだった。
おそらくイングランドは0-0のままならああいう試合運びを選択しなかったはず。
試合結果がスコアレスドローでも監督は納得したと思う。
でも、4年前のベッカムの退場事件があって、しかもその試合の当事者が、オーウエン、シーマン、スコールズ、キャンベル、シェリンガム、アルゼンチン側もバティ、クレスポ、オルテガそして勿論シメオネなど、両軍ざっくり残る試合で
当のベッカムが点を取って(しまった)!

思うに、イングランドチームやサポーターは、この4年間あの事件を外野の我々が思っている以上に引きずってきただろうな。
ベッカムは一時期国外逃亡してたし、彼がその後国内サポーターに再び受け入れられて今のように愛されるようになってさえ、みんな心のどこかであの試合のことを精算したいと思っていたと。
もちろんなかったことには出来ないけど、0-0でもなく、オーウェンが取った得点でもなく、他ならぬベッカムが蹴り込んだ1点を守って勝つ!ことで、「4年前のことを乗り越えて俺たちは先へ行くんだ!」
という思いで選択した戦術なのかな、あの20分はと思ったのだ。
少なくともあの、愚直で、スマートさのかけらもない必至の全員ディフェンスを見て、俺はそういう思いで泣けてちゃった。
攻めた方が楽な時だってあるのに、あえて勇気を持って守ったと。
アルゼンチンは攻め疲れ、イングランドは守り疲れた。
まさに死闘った。
だからイングランド選手の歓喜はよくわかる!

次の日のスポーツ紙のコラムで、1940年にドイツ軍に12,000発も爆弾を落されながら、チャーチルが「けっして負けない」と宣言し、ロンドンを守り抜いた史実とオーバーラップさせてたくだりがあった。
同じ島国同志、1点を同じく守って勝った日本代表は、7日のイングランドが鼓舞したのかもしれない。
昨日のロシア戦、日本代表はとても勇敢な勇者だったと思うから。


2002/06/07
From:甲斐智堯

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