新潟イングランド村。

 行って来たよ!
 新潟スタジアム「デンマーク対イングランド」。
 目撃したよ、オーウェンゴールにベッカムの7色のクロス。
 しやわせだー。しやわせだー。

 試合自体は既に報道され尽くされてるだろうけど、取り敢えず今回のイングランドの特徴は守備のシステム。4-4-2でディフェンスラインと中盤の4人づつが完全にフラットになって、フィールドに「2 line」の壁が立つ感じ。
 これはマンチェスターUがやってる形で、ベッカムやスコールズを中心とする為に採用されたのかな。デンマークはハイボールとカウンターに特徴があるんだけど、プレミアリーグでやってる選手が多いので、早いパス回しも上手い。
 ところがこの「2 line」で、ハイボールは簡単に跳ね返してしまう。
 そしてこのシステムでの約束事は壁の間でのパス回しは自由にさせてるってこと。その代わり壁を越そうとする動きやパスには厳しくチェック。だからデンマークはボールポゼッションは高いのに横パスばかりで縦への攻撃をほぼ封じられてしまった。
 この守備は見事だった。
 しかも要所要所ではアルゼンチン戦でデヴューした、「ニュー・カテナチオ」とでも言うべき11人守備でがっちり守る。こと守備に関しては11人の意識がしっかり整っていて、とてもまとまっていた、ホント見事。

 更に感心したのは攻撃でのベッカム。
 過去三試合は足の具合もあって、かなり引き気味のポジショニングを意識して取っていた。
 でもこの試合では、コンディションが上がっているにも関わらず、全ての時間帯で前線に居たりはしなかった。むしろ敢えてサボることでマークを外し、ここぞという場面でだけ、攻撃参加。その読みがこの試合では当たりまくっていたと思う。3点目はテレビではスイッチングに失敗してたけど、突然スローイングのボールを受けようとダッシュしたベッカムにビックリした相手DFに当たったボールを奪って生まれたゴール。

 試合が一方的になったけど、最後まで1点を取りに前に出たデンマークにも拍手を送りたい。ただ彼らは自分たちのいいところを消され過ぎた。

 こんなに全てが上手くいくイングランドはとても珍しい。次にブラジルと当たるときにどうなるか、とても楽しみだ。

 さて。スタジアムを埋めたイングランドサポーター。
 生で聞く本場の「大脱走」マーチにも興奮したんだけど、先ずブラス隊が上手いしカッコイイ。俺は日本の野球場での鳴り物が大嫌いで球場に行きたくないんだけど、ひとつ気付きました。

「上手けりゃいい」

 ブラス隊が先導する形で四方のスタンド中が唱和するので、ずれないのも見事だが、彼らの楽しみ方に我々日本人がまだまだ及ばない姿を感じた。やはりW杯で勝ち負けを散々繰り替えした年季と余裕。我々のように自国の代表が勝つ事になれていない必死のサポーターとはそこが違っていた。
 後半試合が動かなくなると、展開そっちのけで通路で踊る踊る踊る。隊列を組んで電車ごっこのように行ったり来たり。それも四方のスタンドのあちこちで。試合見てねえじゃんって正直思うのだが、楽しんだら勝ちなんだろう。
 サッカー後進国の警備員や係員ふぜいの注意など、にこやかーにタックルして隊列は進む。と、この風景もまた楽しめるのであった。

 こんな遠い国へ来て楽しんでいただいたのなら、ホスト国冥利に尽きる。
 ただ、同じようにデンマークサポにも楽しんでいただけたら。
 あの国が素敵がと言う事を知っている身としては、
 それが残念であったが。

 追記:取り敢えず予定していた観戦ツアーを全て消化してしまい、
    既に寂しい気持ちになっている。
    ワールドカップも残り12試合。
    ああーワールドカップが終わってゆくー・・・。


2002/06/17 15:57
From:甲斐智堯

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