2003.February

2月16日(稽古休み)

 手を合わせ、空を見上げると、激しい雨がいつのまにか小降りになっていた。僕らは先祖の霊のなかに生きている。そう思う。切実にそう思う。ことに芝居つくりをしていると、そう思わずにはいられない瞬間がある。運命論は好きじゃないのだが、それでも、何者かが僕らの背後で僕らの人生を動かしている、そんな気分になってしまうことがある。その何者かをさしあたり、僕らの「無意識」と呼べば、近代人の僕らとしては納得できるか?

 過去からのメッセージを受け取って、今僕らは進んでいる。「そこは右だ!」「いやいや左だ!」「ホラそこ、ジャンプ!」「ああっと、そこは身をかがめて!」――彼らは、今も、そこに、いるのだ。すぐそこに。

 僕、僕、僕、とつぶやいて、新宿の喧噪を見回した。
 誰もがみな、僕、なのだ。
 そこで「僕が見ている」「僕が呼んでる」「僕を許して」「僕は追われて」そうして、ここにいるのだ!

 浴びた光の激しさゆえに、オゾン層のない、太陽光線の熾烈さゆえに、僕らは焼き殺されてしまう。それでも、きっと、僕らは出ていく。
 宇宙空間へ!

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