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演出メモ1
「肉体的な欲求と観念的な理想は奥深いところでつながっているが、その二つが一致することは滅多にない」というのがテーマの基本線です。
「そんな一瞬間がいったいなんです」
という老婆の台詞が出てきますが、男の欲望は「その一瞬間」に集約されるものです。つまり、「肉体的な欲求と観念的な理想」とが一致する瞬間、もっと俗っぽく言えば、「理想の女を手に入れる瞬間」で、つまりは「射精の瞬間」です。そんな瞬間さえあれば、死んでもいいと男は思っています。
それに比べて、女の欲望は「この地上に自分のための場所をつくる」というような、なにか恒常的なものへと向かっているのではないでしょうか?
老婆はそんな「瞬間」を点から点へとつむいで何百年も生きてきた、男の欲望を象徴する存在のような気がします。すなわち「小野小町」という、男の究極の理想です。それは現実に生きる女性の不幸を表しています。
ですから、テーマの基本線を言い換えれば、「男と女の欲望のメカニズムはすれ違っている」というコトになります。
その「すれ違い」を象徴するのが、「欲求不満の女たち」という役柄です。彼女たちはときに女であり、ときに犬であり、ときに男とめまぐるしくその存在モードを変身させますが、その変身を貫いている基軸は、「満たされない肉体」です。「飢えている」ということです。そうした「飢え」こそ、『LABO!
版 卒塔婆小町』に流れる恒常的な雰囲気で、それは「男と女のすれ違い」の結果であり、とても切実でありながら、たぶんに喜劇的なものとなるにちがいありません。
6/15
jin
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